スペイン三日目、月曜日。この日は大学院時代に二年お世話になった、
マドリード自治大学の古巣研究室を訪ねた。

例の博多駅相当の Atocha 駅から電車で 20 分ほど、
というと都市型大学のように聞こえるが、
マドリードは20 分も電車に乗るともう荒野になるので郊外型である。

ああ、九大伊都キャンパスみたいなもんか
と思うかもしれないが、本学とは異なり、住居も店も何もない。
本当に荒野のど真ん中に巨大キャンパスがあるといった趣だ。
人口は日本の半分以下、国土は1.3 倍というスペインなので土地あまりであることがよくわかる。

とはいえ、本腰入れて勉強するにはいい環境であるし、
キャンパス内に緑が多いのでいい環境だと思っている。

多分、この大学を訪問するのは10年以上ぶりなのだが、
ほぼ何も変わっていなくてグッと来てしまった。
キャンパスも建物も学生たちの感じも久々に会った恩師たちも昔のままであった。
まあ、これはスペインというかヨーロッパ全体に言えることかもしれない。
自然災害少なめなことも手伝ってか、街の新陳代謝が日本人からは想像つかないレベルで鈍い。
まあ、なんにせよ、世界のどこかに若い頃に見た景色がそのまま残っているのは幸せなことであろう。

おセンチな気分で古巣を後にし、前日に夕飯をご一緒した弟弟子カップルとの待ち合わせ場所へ向かう。
この日は、チャンベリというオシャレというか割とモダンな地域のピンチョスバル、Sargaretxe であった。
スペイン語の文字の並びじゃなくない?とお思いの向きもあろう。
これはバスク語である。ピンチョスというのはバスクの文化なのでした。

かにかまサラダのピンチョス(意識低い系ピンチョスだが好きなのだから仕方ない)をいただきながら
二軒目、本丸はどこに行くのかをカルロス君に尋ねる。

「この近くに Hundred というハンバーガーレストランがあってな、そこよ」

とのことであった。

正直なところ、「す、スペインに来てハンバーガー……」と思わんこともなかったし、
海原先生が脳裏をよぎりもしたが、

よくよく話を聞いてみると、
アメリカ以外の国で初めてミシュランに載ったハンバーガー屋さんらしく、
Dang Dang 気になって来た。

現地に向かっていると大混雑で、訊けば予約を取るのも大変だったとのこと。ありがてえ……

そうなるともう、完全に前のめりになり、初手のクラフトビールとナチョスをいただきながら、
やたら種類のあるバーガーを物色する。
いいバーガー屋さんはサイドも美味しいのよね。
暗くて写真がまともに取れなかったので公式様より転載。

本職、根がどこまでもマニュアル人間にできているので、
結局、デフォルトの Singular を選ぶ。焼き加減を訊かれて驚いた。

まあ、見れば美味しいのはわかっていただけるだろうが、
本当に衝撃的であった。
バンズもチーズもベーコンも全部こだわられていてそれぞれとても味が深いのに、
圧倒的に肉の味が前面に出てくる。そんな感動体験となった。
なんでも肉はドライエイジだそうで、ワインにしときゃよかった感がある。
いやはやしかし、マックのチーズ月見より美味いバーガーがこの世にあったんだな……

無理矢理スペイン語学習ウェブサイト風にまとめると、
マドリードというのは多分東京以上に多国籍都市であり、かつ市民が食にうるさいので、
非スペイン料理の店であっても、繁盛店なら大抵水準が高い。
スペインに行ったらスペイン料理だけ食べよう、というのもいいが、
何回か、敢えての非スペインというのも面白いと思う、というお話でした。

By qsupe

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