ロシア上空で眠れぬもどかしさやら関節の痛み、飢えに悶えながら『火の鳥』を黎明編から通読する。

間違いなく今年度ナンバーワン苦行であろう。

一週間のマドリード、ローマ出張に行ってきた。

研究者的には楽しい予定で満載の出張ということになるが、例によって出張前は憂鬱で仕方がなかった。

本職、飛行機が嫌いなのである。

エコノミークラスは本職のわがままボディを収めるには狭すぎで、まずまともに眠ることができない。

欧州につく頃にはいつも体中の関節が悲鳴をあげている。

また、病的に乗り物酔いしやすいタチなので(学研から本学までのバスでも酔うときは酔う)、

機内食はすべて辞退することにしている。そのため飢える。

せめてもの救いは今回は中国の飛行機に乗ったので、ロシア上空を飛んでくれ、飛行時間がかなり短かったことであろう。

中東経由だと、1.5 倍くらい余計に時間がかかる。

欧州についてしまえば楽しいことはわかっているのだが、移動が苦行になることも確定しているのでいつも旅の前は憂鬱なのである。

今回は出発の前日に、ふと、『火の鳥 復活編』の名シーン、

「神ヨ! ロビタヲ救イタマエ」のシーンがふと頭をよぎったのであった (手塚治虫『火の鳥復活編』 p123)。

なるほど、確かにあの性悪鳥に人生を狂わされ、宇宙規模、超時間的な責め苦を負った人々の生きざま、死にざまを機内で改めて振り返るのも悪くないかもしれぬ。

そう思い、kindleに火の鳥を全巻ダウンロードしなおすのであった。

火の鳥をじっくり全巻読むと大体十時間くらいかかるので、道中、退屈せずに済んだのは僥倖であった。

普通に読んでも面白いかの作品だが、機内で読むと牧村やらロミさんに必要以上に共感できていい。

また、かの名作の新たな魅力に気が付けた気がしている。

そんなこんなでマドリードに到着。福岡でいう博多駅にあたるアトチャ駅まで直通の電車が大規模工事のせいで一時廃止されており、

ホテルに到達するにもまた一苦労だったのであるが、なんとかホテルにも到着。

シャワーも浴びずにホテル併設の老舗バル、 El brillante にてよく冷えたビールとマドリードのソウルフード、Bocadillo de calamares (イカのフリッターのサンドイッチ)をいただく。

真夏の風呂上りに一気飲みするビールも当然美味だが、

異国の夜、心身共にすり減った状態で「何とか無事につけたなあ」と安堵を噛みしめながら飲むビールもまた美味し。

El brillante について少し

件のアトチャ駅の向かいにある、マドリード市民なら多分、9割以上は知っている老舗中の老舗である。

朝六時オープン、深夜 1 時閉店という元祖長浜屋みたいな業態で朝食もいただける。とてもありがたい。

アトチャ周辺に宿をとったり、アトチャからスペイン各地に鉄道で移動するのであればぜひともお立ち寄りあれ。

ゲルニカのあるソフィア王妃芸術センター至近でもあるので、ゲルニカ見た後にここで一杯というのもいいだろう。

タパスの定番メニューはほぼすべてあり、店内にいるだけで楽しくなる雰囲気、やたらきびきびしたウエイターたち、などなど、バルというジャンルの飲食店の基本がすべて詰まっているように思う。

この店のフラッグシップはもちろんイカのサンドイッチなのだが、他にもあっさりしたようなやつもあるので飽きがこない。結局、滞在中の朝食はすべてここでいただいた。

↓の Bonito del norte con pimiento asado (北部のカツオと焼きパプリカ) 等も秀逸。

ヨーロッパ人はともすると、パンは固ければ固いほどいいと思っている節があるが、

ここのパンは表面だけがパリッとしており、中がふわふわという日本人好みの感じなので何食べてもおいしいのである。

By qsupe

One thought on “火の鳥 マドリード・ローマ編 -El Brillante-”

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です