新積み立てNISA, iDeco, 生成AI, 楽天スーパーセール、バズ〇〇、コスパ抜群の□□ X 選、etc.
根がどこまでも小市民にできている本職はこうした、
「なんか賢そうで、お得っぽい」感じのものが大好きだ。
特に NISA には多大な期待をしており、寸暇を惜しんで楽天証券をチラチラ見ている。
しかし、そんな本職でも数週間に一回くらいのペースで、叫びだしたくなる時がある。
「全体的に小賢しいんだよ!」
と。
「なんか賢そうで、お得っぽい」というのは多くの場合、セコいということと似ており、
そういうものにフルコミットしている自分が、たまにほとほと嫌になるのである。
胸に「敬人尊野蛮」と和彫りを入れて、大らかに、豪快に生きていこう。
そう思ったことだってあったのに。
そんなかつての理想から目を背け、「もう若くはないさ」と呟きながら
楽天証券をチラ見している時というのは口の中がどうにも苦いのだが、
こういう苦い思いをしているのは何も本職だけではないだろう。
さて、そんな一切合切を生活によって人質に取られた現代人にこそオススメしたいのが、
表題のスペインのネトフリドラマ「ベルリン」である。
この作品、数年前に惜しまれながら完結した世界的大ヒット、
La Casa de Papel (邦題: ペーパーハウス)のスピンオフである。
大元の La Casa de Papel は、天才犯罪者といろんな形で社会から爪弾きにされたその仲間たちが
とんでもなく奇抜かつ精緻な計画を基に大金獲得を目論む、というクライムサスペンスである。
登場人物の魅力が溢れすぎている、脚本がともかく面白い、セリフがキレまくっている、
などの理由で、イカゲームまでは、ネトフリで最も再生された非英語ドラマであったという。

スピンオフのタイトルである「ベルリン」というのはこの犯罪者集団の一員の名前というか
コードネームである。ベルリンは特に人気があったのでスピンオフ化した、というわけ。

大筋は 本家の La Casa de Papel とほぼ同じで、ベルリンを首謀者とする犯罪者集団が、
美術品の強奪を計画する、というもの。
本家同様、計画がウルトラ C 過ぎて驚かされたり、ハラハラさせられたり。
基本登場人物全員人間のクズみたいな人たちなのだが、それでも魅力に溢れていたりと、
本家と同じくらい楽しませていただいた。
本家の頃からなぜかちょこちょこ挟まれるベルリンが熱唱する、というシーンもちゃんとあり、
ベルさんファンならずとも必見の内容と感じた
(↓当該のシーン(ネタバレ含む)。「ベルさん歌唱シーンファン」が一定数いるため、公式が切り抜き動画を公開するという。危機的状況でもそこにステージがあれば登っちゃう。そんなベルさんに痺れる、あこがれる。)。
ただ、冒頭に書いた通り、セコさと豪快・野蛮さの間で揺れ動いている本職にとっての白眉は、
登場人物の無茶苦茶さ加減にある。大変に豪快で野蛮なのがいい。
本家も「ベルリン」も、登場人物はものすごく緻密な計画をたてて、
それを九割型遂行するところまでは行くのだが、
その段階でいつも誰かしらが衝動的に(大抵は色恋目当てで)計画外の行動に出て大ピンチを招く、
ということが多々ある。
このピンチをいかに切り返すか、が見どころにはなっているのだが、
本職にはこの計画を台無しにするようなことを平気でする
登場人物たちの野蛮さにグッとくる、痺れる。
レビューサイトなどで「登場人物たちの行動があり得なさ過ぎてイライラした」
みたいな感想もたまに見かけるのだが、そのあり得ないくらいの無茶苦茶っぷりがいいのである。
お利口な計画をお利口に淡々と遂行していけばお得である。
なんてことはわかっていて、その上で、気が変わったから全部台無しにしたらぁっ、
というこの世界の住人たちの気概にスカッとするものを感じてしまう。
「理」の真逆にバーンとノリで行けたら気持ちいいだろうな、と。
そんなわけで、賢く、お得に生きている人ほどスカッとするのでおすすめです。ベルリン。
これ単独で見ても面白いと思うのですが、6話からの圧倒的絶望感は、
La Casa de Papel を見ていないとよくわからないと思うので、
本家を視聴してからベルリンに入るのが良いでしょう。