七泊のフランス滞在の後、ついにスペインバスクへと向かう。

バイヨンヌから国境の町アンダイエまでフランス JR の各駅で 30 分。

アンダイエからローカル鉄道で 30 分というお手軽すぎる国境越えである。

アンダイエ駅を出発してすぐに電車はビダソア川という大きな川を渡る。

この川がスペインとフランスの国境であり、対岸につくと晴れてスペイン入国となる。

スペイン側の最初の駅、Ficoba Irun に停車し、スペイン人の乗客がどやどやと乗ってくると、

「ああ、スペイン来たなあ」という感覚がしみじみ生じる。

たかだか川一本渡っただけ、しかも国が違うとはいえ同じバスク文化圏なのであるが、全く異なる地域に来たなという印象が強い。

そんな風に感じるのはどうも本職だけではないらしい。ちょうど最近、スペイン在住日本人の集まる掲示板にて、

「サンセバスティアンからフランスまで車なら30分です。目に見えない国境を越えただけで、数百メートル進んだだけで街並みは違います、村の様子も家の作りも違います。なによりいきなりクロワッサンが重たくなって、美味しくなります。(その分、コーヒーの値段は上がるのに薄くなりますが)」

という書き込みを見つけ爆笑してしまった。

本当に目に見えない国境を越えただけで何もかもガラッと変わるし、クロワッサンはフランス、コーヒーはスペインの圧勝なのである。不思議な話だと思う。

混雑している車内で、日本通の姉を持つ 12 才の少年がわざわざこちらにやってきて、日本に関してあれこれおしゃべりをしてくれるというイベントもあった。この圧倒的な人懐っこさの持ち主がその辺にゴロゴロしているのもスペインならではという気がする。

そんなこんなであっさりサンセバスティアンの中央駅的存在、Amara-Donostia に到着する(バスク語ではかの街のことを Donostia という)。この時、二月半ばであるが気温は 25°、晴天、土曜日であり、道には名を知らぬ綺麗な花が咲き乱れているという塩梅。「こりゃあ、肝臓が無傷では済まんぞ……」とつぶやき、ホテルに荷物を置くとさっそくバル巡りに出かけるのであった。

次の記事に書く通り、サンセバスティアンでは基本的に飲み歩きしかしていない。飲み食いの合間に、肝臓と胃袋をリフレッシュさせるために散歩するという外道旅行であった。ただ、サンセバスティアンは街自体もきれいだし、日本のエース、久保建英の所属するレアル・ソシエダのホームスタジアムがあったりで散歩自体もとても楽しい。スタジアムは試合がない日なら内部見学もできる。

By qsupe

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