六月ごろだったか。名店・金龍の跡地にこの店の看板が突如現れた時、在福のラオタはみんな思ったことだろう。
この店の経営者は何を考えてるんだ? と

ラオタでない人向けに解説すると、以下が「何考えてるんだ?」ポイントである。
- 店名も看板のデザインも、どう見ても某超有名店のそれ
- 金龍ですら撤退する、安全食堂、力〇、銅鑼という強豪ぞろいの激戦区で露骨な二番煎じ商法、マジでやるんすか?
「こりゃあ、イケイケの若者がノリに任せて雑に出した店なんだろうな」と、どこか微笑ましい気分で本職はこの店のオープンを見守ったものである。
某超有名店は熱心なファンが多く、オープン前からグーグルマップの口コミが荒れまくったのは別の話だ。
潮目が変わったのは、どうもこの店の親会社はとある一流ローカル居酒屋グループらしい、という噂が流れ始めたあたりである。
親会社とされる居酒屋グループは出張族の間では知らん者はいないというレベルのグループである。
そんなビジネス上手な企業が手掛ける、素人目にはわんぱくにしか見えない新店舗。俄然興味が沸くではないか。
そんなわけで、先月。最高気温は 37 度を記録する中、大学から自転車に乗って訪麺してきた。
確かに興味はあったが、それでも心躍る道中ではなかった。
そもそもネタ元の有名店は昼夜を問わず働く漁業・市場関係者に早朝や深夜でもサクッとラーメンを提供する、というお店である。朝食、呑んだ後のシメに最高というタイプのラーメンであり、
「む、むちゃくちゃうめえ……」となるタイプのラーメンではない。
それをこの酷暑の中、自転車で食べに行くのか……と。
正午前に到着したところ、既に先客が結構いて盛り上がっていた。
このご時世にラーメン一杯 550 円というのはネタ元同様の価格帯。
ご飯、卵があるのはこちらのオリジナルか。
お子様ラーメン 150 円があるあたり、ファミリー層をターゲットにしているのかもしれない。

オペレーションはとてもスムーズで、本家並みのスピードですぐにラーメンが運ばれてきた。

ビジュアルは本家のラーメンそのまんま。
スープを飲み、麺をすすってみる。こちらも驚き。本家のパンチのなさが完全に再現されていた。
やっぱり本家同様、卓上のラーメンダレでパンチ分を足していただいた。
美味しいか美味しくないかという以前に、ラーメンと雰囲気の再現度の高さに驚かされる、
そんな不思議な経験をしたな、という感想を持った。
半年持つか怪しいと思っていたんだが、財布に優しいし、子供やシルバー層でも問題なく食べられるラーメンなわけだから、ファミリー層、二世帯層多めのあのあたりだから案外繁盛するかもしらん、と意見を変えることになった。外食ビジネス、特にラーメンビジネスって面白いですね。
最後に、本学学生諸君が抱いているであろう疑問に答えておく。
こんな記事をここまで読んだ食いしん坊な君なら、こう思っているだろう。
「そんなにパンチの効いてないラーメンを食べて、スペイン語と格闘する気力は沸きますか?」
と。
確かに、朝食、お酒のシメラーメンなだけに、昼に食べるとちと物足りないのはわかる。
が、そんな時こそ、視野を広げるべきでしょう。長浜ドラゴンを出て空を見上げてごらん。
そうすると見えるはず。

数ブロック先にそびえたつ、資さんうどん雄姿が。
そう、ランチのシメにごぼ天うどん (490 円)を食べたらいいのである。

ここまでやると、かなり高めの満足度をたたき出すことであろう。
本職的にごぼ天は外せないのだが、かけうどんであれば、ラーメンと併せても 1000 円を切るだろう。
本職、麺が好きすぎて、「ラーメンも食べたいがうどんも食べたい」という日が週に 2, 3 日あるだけに、この元祖長浜ドラゴンがいっそ、救世主に見えてきたのであった。