スペイン版流行語大賞、「Palabra del año」 のレビューをしないと年を越せない体になってしまったので、ほろ酔いだけどやっておく。

Fundéu RAE という王立のスペイン語機関が毎年定めるこちらの賞(?)、今年は

Interigencia artificial 人工知能

に贈られることとなった。2020 が confinamiento ‘封鎖、ロックダウン’、2021 が vacuna ‘ワクチン’と、ここ数年の選考に、なにかしらの置きに行ってる感を覚えるのはなにも本職だけではないだろう。2019 のまさかの emoji ‘絵文字’ 選出の時くらいのサプライズを来年こそ期待したい。

ともあれ、以下に候補となった他の 11 の語を簡単に紹介する。

1. Apocaplisis ‘終末’: もともと『ヨハネの黙示録』のことであるが、普通名詞として使われる場合、王立アカデミーの辞書にあるとおり、fin del munco という意味。戦争、そして相次いだ大規模自然災害、異常気象によりノミネート。

2. Criptomoneda ‘暗号通貨’: 暗号通貨大暴落、というのもインパクトのある事件でしたね。そんなわけで、こちらの用語がノミネート。

3. Diversidad ‘多様性‘: 当然、古くからある語であるが、スペイン的に 2022 年はどうすれば多様性を尊重する社会になれるのか?という問いに真剣に取り組んだ一年とのことでノミネート。

4. Ecocidio ‘環境破壊、生態系破壊’: どこの国も問題になっているよね……ちなみに、これは eco- ‘環境’ と -cidio ‘殺す’ の複合語。英語の -cide (suicide) に相当する表現です。数年前には feminicidio ‘フェミサイド・性別を理由にした女性を対象とする殺人事件’ がノミネートされるなど、-cidio を含む新語が作り続けられているという事実はスペイン語学習者的にも社会的動物的にも覚えておきたい。

5. Gasoducto ‘天然ガスパイプライン’: ロシアのやっている戦争はヨーロッパ的に、直接的にガスの供給に大打撃を与えるものでありました。Gasoducto もまた、スペイン人の大きな心配のタネであったということでしょう。

6. Gigafactoría ‘ギガファクトリー’: テスラの巨大バッテリー工場のこと。言語学的にちょっと面白いのが、ギガサイズの巨大工場だから gigafactoría なのではなく、ギガバイト単位の大量の電力を蓄えることができるため。

7. Griparizar ‘インフルエンザ扱いをする’: なんと、今年の候補の中で唯一のコロナがらみの用語。gripal ‘インフルエンザの’ という形容詞と ‘~化する’ という -ize による派生語。日本における五類にする、みたいな話で、コロナをインフルエンザ扱いする、という意味の動詞。

8. Inflación ‘インフレ’: マジでどうにかならんもんか……

9. Sexodopaje: 本学を卒業してからググって調べてください。

10. Topar ‘抑制する’: tope というのは ‘止め具’のことで、その動詞形、topar は ‘抑制する’ という意味で使われることが多いです。今年の天井知らずの勢いで高騰する燃料費について、政府は価格を topar すべきか否か、という議論が盛り上がりを見せたこともありノミネート。

11. Ucraniano ‘ウクライナ人、ウクライナの’: ucranio という形も認められるが、ucraniano の方が推奨されるとのこと。ちなみに、スペイン語において国名は Ucraina ではなく Ucrania。日本語ではウクライナと言うだけに、間違えやすいので注意したい。

……ここ数年、毎年言っている気もするが、悲しいもの、不景気な物が多すぎる。来年こそは、候補が前向きなものだらけになりますように。

ちなみに、この賞のオリジナル記事はこちら。割と読みやすいので、一年生でも辞書片手にチャレンジしてみてはいかがでしょう。

https://www.fundeu.es/recomendacion/inteligencia-artificial-es-la-expresion-del-2022-para-la-fundeurae/

By qsupe

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